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リン酸の働き

植物成長は、葉や茎が大きくなる栄養成長と花を咲かせて実をつけてる生殖成長の2つがあり、リン酸は花を咲かせて実をつけるのを助ける働きをする。難しく言えば花芽分化や開花結実を促進すると言われている。窒素が葉肥、カリが根肥、そしてリン酸が実肥といわれる。

 

移動しにくい。

蓄積しやすい

窒素やカリと違って土壌から非常に溶脱しにくいので、蓄積しやすい。

 

施肥リンの利用率は10~20%と窒素やカリウムに比べて低い。

結合する。

土中にあるアルミニウムや鉄と結合しやすくく、リン酸鉄、リン酸アルミニウムとなってしまうと、植物が根から吸収できなくなってしまう。。難溶性リン酸

リン酸がカルシウムと結びつくと植物が吸収できる。リン酸水素イオン(HPO42-)リン酸二水素イオン(H2PO4-) 。無機態リン

リン酸固定
リン酸固定力は土壌の種類により大きく違い、これを診断する基準としてリン酸吸収係数が用いられている。

リン酸吸収係数が大きいのは火山性土。火山性土がリン酸を強く固定するのは活性のアルミニウムが他の土壌に比べて多いため。

粘土鉱物中のアルミニウムと鉄は、土壌 pH が酸性に傾くと土壌溶液に溶けていく特性が
ある。これはアルミニウムと鉄の活性化と呼ばれる。

カルシウムもりん酸と結合して難溶性りん酸化合物にすることもある。
土壌 pH によりりん酸一カルシウム(Ca(H2PO4)2)、りん酸二カルシウム(CaHPO4)、りん酸三カル
シウム(Ca3(PO4)2)の異なる化合物を生成する。りん酸一カルシウムは水溶性、りん酸二カルシウムがク溶性であるため、りん酸固定とならないが、りん酸三カルシウムが難溶性で、植物に吸収利用されない状態となる。

PH5.5-6.5で可給態リン酸が多くなる。


土壌改良を通じて、りん酸吸収係数を下げる方法としては、堆肥や腐植酸資材を施用することが効果的である。堆肥などの有機物がりん酸を囲み,土壌コロイドとの接触を少なくするためである。また、堆肥分解の際に土壌微生物が大量に増殖して、りん酸は微生物の増殖により取り込まれ、有機態りん酸となるが、微生物の死亡に伴ってゆっくり分解され再び無機化して植物に吸収利用される。
腐植酸は鉄、アルミニウム、カルシウムと安定な化合物を生成し、これらの陽イオンとりん酸との結合を妨げ、固定化を軽減すると考えられている。また、難溶性のりん酸化合物に腐植酸を添加すると、腐植酸が鉄、アルミニウム、カルシウムと錯体を生成し、吸着されていたりん酸を吸収利用可能な状態に戻すことも考えられる。

 

土壌中のリンは無機態と有機態に大別される。

有機態リンは、動植物の遺体や微生物のほか、腐植などと結合して存在しており、そのうち微生物に取り込まれたリンをバイオマスリンという。有機態リンはそのままでは作物が利用・吸収することができない。土壌中の有機態リンの一部は微生物により分解され、土壌の乾燥、地温上昇により無機化が促進される。

 

リン溶解菌

リン溶解菌には、有機酸などを放出して、難溶性のリン酸を溶かす働きがある。

土壌にはすでにリン溶解菌が多く存在している。 そこに易分解性有機物を施用すると、 リン溶解菌が急速に増殖して有機酸を生成し、 土壌中の不可給態化したリン酸塩を溶解する。

溶解したリン酸はその近隣の通常微生物にも吸収されてバイオマスリンに変換される。 やがて微生物が死滅すると、自己溶解が生じ、 核酸やリン脂質などの比較的吸収性の高い化合物が細胞外へ放出される。 菌根菌菌糸が近くにあれば、 それらのリン化合物を効率的に吸収できるということになる。

 

土壌の易分解性有機物の主体はアミノ酸態窒素とアミノ糖態窒素である。

 

可給態リン酸
作物が吸収利用できるリン酸の総量。作土には20mg/100g以上あれば十分。 100mg/100g以上になるとリン酸の施用効果がなくなる。

 

有機物の施用は主に活性アルミニウムを抑える効果があり、リン酸の可給度が増大する。

 

 

 

植物におけるリンの働きとは?土壌のPHで施肥をしても無駄になる場合も! | ぱずーの農業日記

【つち博士 よく使われる土壌用語 】

ルーラル電子図書館―農業技術事典 NAROPEDIA

土づくりQ&A|ホクレンの肥料

http://www.maff.go.jp/j/seisan/kankyo/hozen_type/h_sehi_kizyun/attach/pdf/tottori01-3.pdf

http://bsikagaku.jp/f-knowledge/knowledge19.pdf

http://www.japan-soil.net/report/h24tebiki_02.pdf

土壌の易分解性有機物に対する微生物体およびその細胞壁の寄与について(第1報) : ライグラスの分解に伴う土壌有機態窒素のアミノ酸およびアミノ糖化合物の動向