トマト灰色かび病 メモ

防除のポイント
▽第一次伝染源は土中に残った菌核である。夏期ハウスを1か月間くらい密閉し,罹病残渣とともに高温で菌核を死滅させる。ハウスの支柱などに付着した菌核も死滅する。

▽分生胞子は,ハウスの周辺に積んだ前作の残渣や,他のハウスの中で形成され,それが第一次伝染源となってトマトのハウスに飛散して伝染するので,前作の残渣は適切に処分し,ハウスの換気を十分行なう。

▽咲き終わった花弁に病原菌の分生胞子が多数形成され,それが第二次伝染源となるので,咲き終わった花弁は手でていねいに取り除くか,ブロアなどで吹き飛ばす。同時に予防散布をする。

▽その他の第二次伝染源は,被害部に形成された分生胞子である。被害果や発病茎葉などはハウスの外へ持ち出す。茎葉の過繁茂を改善して日当たり,風通しを確保したり,近紫外線除去フィルムでハウスを被覆して,分生胞子の形成を少しでも抑制しながら薬剤散布を行なう。

▽発病最適条件は比較的低温(15~23℃)で多湿であるから,低温期には暖房し,ハウス内の乾燥につとめる。

農薬による防除
⇒初発時
〈初発の判断〉
▽葉の先端や葉縁付近から淡褐色の枯込み部分がないか,またその部分に灰褐色のカビ(分生胞子)が生じていないか注意深く観察する。

▽また灰褐色のカビが,咲き終わってしぼんだ花弁や,葉上に落ちて暗褐色となった花弁に生じると,果実,葉,茎でも発病が多くなる。このほか誘引ひもですれた部分や葉柄などが折れたりした部分にも同様のカビを生ずる。

〈防除の判断と農薬の選択〉
▽毎年発病する圃場では発病のおそれのある1か月くらい前から,ボトキラー水和剤など生物農薬を散布して,病原菌の増殖を抑えると本病の発病予防になる。ただし,最低気温が15℃を下回ると有効成分の微生物が十分に活動できないので防除効果は低くなる。

▽カビの発生をみた場合はベンレート水和剤,トップジンM水和剤,ロブラール水和剤,スミレックス水和剤を用いる。耐性菌の発生状況を見ながら農薬を選ぶ。

▽スミレックス水和剤は,ミニトマトには適用登録されていない。

▽この散布でまったく防除効果がみられない場合には,ゲッター水和剤またはスミブレンド水和剤を散布する(耐性菌への対応を参照する)。

▽促成,半促成栽培で,咲き終わった花弁上に形成された分生胞子が粗であるときや,日中にハウス内が乾燥ぎみに経過するような天候であれば,防除の緊急度は低い。このような場合は生物農薬やポリオキシンAL水溶剤,ベルクートフロアブルやダコニール1000などを散布して,他の葉かび,うどんこ病,すすかび病などと同時防除するようにする。このようなことは気温が上昇するころに起こることが多いので,散布間隔は10日~2週間間隔と長くとってもよい。

▽抑制栽培で,気温が低下するような場合には,薬剤を散布しておかなければならない。他の病害との同時防除のためにポリオキシンAL水溶剤,ベルクートフロアブルやダコニール1000などを散布する。気温が低下して葉面に水滴が多数付着するようであれば発生しやすくなるので前述と同様にベンレート水和剤ほかを散布する。

▽ポリオキシンAL水溶剤,ベルクートフロアブル,スミブレンド水和剤はミニトマトには使用登録されていない。

⇒多発時
〈防除の判断と農薬の選択〉
▽果実の先端(がくと反対側)から腐敗が始まり,柱頭に分生胞子が形成されている果実や,がく周辺が腐敗して胞子形成している果実が散見され始めたら多発の前兆である。

▽下方の果房に発生が多く,天候不順が続き,内張りカーテンをしている期間で通路が濡れているような場合には,日中に水分が蒸発し,夜間は過飽和となるため,とくにこの時期は低温で多発生が予想される。

▽発病した果実や葉はできる限り圃場から持ち出したのち,ベンレート水和剤,ロブラール水和剤,ゲッター水和剤を散布する。耐性菌のおそれがある場合はジャストミート顆粒水和剤,フルピカフルロアブルを散布する。さらに,灰色かび病のほか菌核病や葉かび病などと同時防除をねらう場合は,アミスター20フロアブル,ファンタジスタ顆粒水和剤,カンタスドライフロアブル,アフェットフロアブルなどを1作1回使用で輪番散布する。

▽ジャストミート顆粒水和剤,ファンタジスタ顆粒水和剤,アミスター20フロアブルは,ミニトマトに適用登録されていない。

▽灰色のカビがやや粗であったり,やや黒褐色になったりしていれば,その分生胞子は活性が低いか死滅しているので,その後の第二次伝染は少ない。このようなときには散布しなくてもよいが,他の病害が発生していれば上記薬剤にダイアメリットDF,やベルクートフロアブル,ダコニール1000,オーソサイド水和剤80,ポリオキシンAL水溶剤,ポリオキシンAL水和剤などを混合散布する。散布間隔は長くしてもよい。

⇒激発時
〈防除の判断と農薬の選択〉
▽発病果に形成された灰色かびの分生胞子が密な場合は,発病果を圃場外へ持ち出し適切に処分してから薬剤散布する。病原菌密度が高い状態で薬剤散布すると耐性菌の発達を助長することになる。

▽通路に籾がらを敷いて,その上からポリマルチをしたりして通路からの水分の蒸発を防ぎ,日中の換気を十分に行なって施設内の水分をできるだけ外に放出したうえで,前記の要領で散布した薬剤が十分に乾く余裕を持って薬剤を散布する。

▽このような状況で晴天がつづき,日中の空気湿度が低い日が多いと,ゴーストスポットと呼ばれる果実に白色リング状の病斑が形成されるようになる。この場合は果実が腐敗することがないので防除の緊急度は低く,葉剤散布回数は少なくてよい。しかしハウス内の病原菌密度は高いので,その後の降雨,高湿度,気温の低下などに十分注意し,発病に適するような条件になれば適用薬剤の散布を行なう。

⇒予防
〈多発・常発地での予防〉
▽常発圃場では発病前から生物農薬やサンヨール,ダコニール1000,オーソサイド水和剤,ベルクートフロアブルをしっかり散布しておく。それでも発病がみられたら,はじめにジャストミート顆粒水和剤やフルピカフルロアブルを散布して病原菌密度を一気に低下させる。

▽ジャストミート顆粒水和剤は,ミニトマトに適用登録されていない。

▽耐性菌が発生していれば防除効果が劣り,発病果が減少しないので,ある程度耐性菌出現が判断できる。

〈発生の少ないところでの予防〉
▽他の病害との同時防除のためにダイアメリットDFやベルクートフロアブル,ダコニール1000,オーソサイド水和剤80,ポリオキシンAL水溶剤,ポリオキシンAL水和剤を散布する。

⇒耐性菌・薬剤抵抗性への対応
〈耐性菌・抵抗性害虫を出さない組合わせ〉
▽耐性菌対策の第一歩は,発病がほとんどみられないか,発病の初期に予防・治療効果の高い薬剤ボトキラー水和剤を散布して,病原菌密度を一気に引き下げ発病を最少限に抑えておくことが大切である。

▽つぎに示す系統別の薬剤の種類とその特徴を生かして輪番散布する。

▽Aグループ:ボトキラー水和剤,エコショット,アグロケア水和剤,バイオワークス水和剤,クリーンサポート,タフパール→生物農薬で灰色かび病に対しては必ず予防的散布で使用する。

▽Bグループ:ポリオキシンAL水溶剤,サンヨール,ダコニール1000,オーソサイド水和剤,ベルクートフロアブル,ダイマジン,ダイアメリットDF→灰色かび病に対して必ずしも特効的ではないが,幅広い病原菌に対して有効であることから発病前の予防的散布に使用する。カリグリーンは予防効果がなく治療的に使用する。

▽Cグループ:ベンレート水和剤,トップジンM水和剤→ベンゾイミダゾール系剤で本病にとくに有効である。しかし耐性菌からみると同一の作用性のため,ベンレート水和剤が効かなければトップジンM水和剤にも同じように効かない(交叉耐性)。逆も同様。

▽Dグループ:ロブラール水和剤,スミレックス水和剤→ジカルボキシミド系剤で,ベンゾイミダゾール系剤と異なる作用点を持つことから同系統耐性菌にも有効である。両剤も交叉耐性する。

▽Eグループ:ゲッター水和剤,スミブレンド水和剤→ジエトフェンカルブ剤と,トップジンMまたはスミレックスとの混合剤である。ジエトフェンカルブ剤はCグループの耐性菌にのみ有効で野生型の感受性菌には効かない。ところが最近,両剤C,D,Eグループに同時に耐性を持つ灰色かび病菌の出現が確認され,薬剤による耐性菌対策が複雑になった。

▽Fグループ:セイビアーフロアブル20,ジャストミート顆粒水和剤,フルピカフロアブル,ブロードワン顆粒水和剤→フェニルピロール系およびアニリノピリミジン系剤であり,ともに病原菌の感染初期に作用して卓効を示す。他グループの耐性菌にも有効である。

▽Gグループ:アミスター20フロアブル,アミスターオプティフロアブル,ファンタジスタ顆粒水和剤,ファンベル顆粒水和剤→QoI剤と呼ばれるグループの薬剤で,予防的にも治療的にも卓効を示すが過度の使用により耐性菌も発生しやすい。

▽Hグループ:カンタスドライフロアブル,アフェットフロアブル→SDHI剤と呼ばれるグループの薬剤で,Gグループの耐性菌にも交叉耐性を示さず予防的使用で卓効を示すが,頻用により耐性菌の出現リスクは高い。

▽最初から多発した場合には,まず第一にFグループのうちの1種類を散布する。ムラなくていねいに散布すればこの第1回の散布で十分に効果がでるが,病勢が抑えられない場合にはFグループの別の薬剤を散布する。したがって,Fグループが2回つづけて散布されることになるので,次はB,C,Dグループのうちの1種類ずつを交互に散布する。

▽防除の途中で葉かび病が多発した場合には,Gグループのうちの1種類を体系防除のなかに組み入れるが,2回以上の連続散布はさけなくてはならない。

▽前作で本病が発生している場合,しかもそれがC,D,Eグループの耐性菌であった場合,発病前初期からの防除は,AまたはBグループのうちの数種類を交互散布し,次に初発が確認されたらFグループのうちの1種類を散布する。次はAまたはBグループのうちの1種類(前回に散布した薬剤でも,別の薬剤でもよい)を散布して,その次はHグループのうちの1種類を散布する。

▽Eグループの薬剤を散布しても防除効果がみられない場合には,C,D,Eグループの耐性菌が出現したと考えられる。そのようなときには,灰色かび病が発生しにくくなるように送風機や循環扇を活用してハウス内の水分を外に放出するように努める。そのような処置をしたあと,F,G,H,グループの薬剤をかけムラのないように散布する。

〈すでに耐性菌・抵抗性害虫が出ている場合〉
▽同一系統の薬剤の2回以上の連続散布はさけて,別の系統の薬剤を散布する。Fグループの薬剤耐性菌はまだ確認されていないので,耐性菌による被害と考えられる場合は,このグループの薬剤から散布する。

▽薬剤の付着ムラで防除効果が十分に上がらず追加散布して耐性菌の発生を招くという悪循環に陥らないようにていねいに散布を行なう。静電散布ノズルや展着剤の選択も防除効果安定に有効である。

〈耐性菌・抵抗性害虫出現の判定法〉
▽試験場または病害虫防除所などで耐性菌検定用の培地を用意してもらい,このシャーレに灰色かび病菌を入れて,病原菌が伸長すれば耐性菌と判定できる。

▽体系防除をしても多発傾向が抑えられない場合は,ハウス内が多湿にならないようにすると同時に,散布ムラがないかどうかを確認する。

⇒他の病害虫・天敵への影響
▽かいよう病,斑点細菌病,黒斑細菌病が灰色かび病と同時に発生するので,これら細菌性の病害を同時防除する場合は,カッパーシンなど銅剤を含む適用薬剤を選択する。

▽菌核病が併発している場合にはB,C,DまたはFグループが有効である。灰色かび病菌の耐性菌対策の体系防除と同一散布でよいが,菌核病の発病期は約1か月なので,発病し始めたら上記CまたはD,Fグループの薬剤が散布できるように体系防除剤の組合わせを調整する。すなわちCグループで耐性菌が懸念される場合もあるので,菌核病の発病前はB→Dの交互散布で灰色かび病を抑えたうえで,菌核病の発生初期にCグループを1回,次からはD→Cと組み合わせる。

▽葉かび病やすすかび病が併発している場合には,Gグループの薬剤を1種類散布するか,灰色かび病の体系防除に組み入れてあるBグループ薬剤を葉かび病の防除適期に混合散布するようにする。Gグループの薬剤を2回以上連続散布すると灰色かび病の耐性菌を増大させるので注意する。

▽疫病が併発している場合は,灰色かび病に適用のある薬剤のうちアミスターオプティフロアブルを選択する。

ミニトマトへの散布の際は登録内容を十分に確認してから行なう。

⇒農薬使用の留意点
▽灰色かび病以外との同時防除のさい,2種類以上の殺菌剤を混合する場合があるが,銅剤と混用するにあたっては散布の直前に混合する。混合して一昼夜も経過したものはなるべく使用しない。

アルカリ性殺虫剤との混用はさける。

▽薬害は,散布薬液が乾きにくく濡れが長時間続く低温期や,ハウス内が異常に高温であったりした場合に生ずることがある。殺菌剤では薬害を生ずる例はほとんど少ないが,スミレックス水和剤を冬の低温期に散布すると葉脈の間が淡褐色に枯死することが多いので低温期の散布はさける。初春になればこのような薬害は生じない。またアミスター20フロアブルも低温期に薬液の乾きが悪く,長時間新葉が濡れていると褐色の葉焼け症状を生じることがある。

▽水和剤を通常の濃度で散布した場合,乾くと薬剤が粉状斑になって目立つこともあるが,一般的には濃い濃度を散布した場合に薬剤が汚れとしてみられる。葉に薬剤が付着しすぎると光合成が阻害されてトマトの品質に影響するので,適宜展着剤の加用が必要である。

▽降雨がつづいてハウス内が過飽和状態になっているときに,動噴で多量の薬液を散布して,茎葉に付着した水分が長時間乾かずに濡れたままであるのは,低温・多湿で発生しやすい本病の性質上好ましくない。くん煙,燃焼煙霧,フローダスト方式が短時間で処理できて,有効である。農作業が多忙なときに使用するとよい。

▽くん煙方式の場合,燃えて煙が直接葉に触れると,ガス害のように葉の縁辺が褐色または灰白色になってその部分が枯死することがあるので,煙が直接触れない位置でくん煙するように注意する。

▽常温煙霧方式では薬剤の濃厚液を用いるので,ノズルから散布された煙霧状の薬液が直接葉に触れると,えそ斑点などの薬害を生ずる場合があるので,機器直近の株にはビニールシートなどをカーテン状に張って,ノズルから散布された直後の煙霧が直接葉に触れないようにする。

▽散布器具は通常は動噴を用いるが,この場合には作業者が薬剤を直接吸い込まないよう十分に注意する。噴頭は5頭口か3頭口を用いて,茎や葉の表裏はもちろん,咲き終わった花弁にかけムラのないように散布する。静電散布ノズルの利用も有効である。

▽細霧冷房を兼ねたミスト機による散布はどうしてもかけムラを生じやすく,防除機として不十分であるが,生物農薬などを絶えず予防的に散布するには省力的である。

⇒効果の判定
▽病斑上の分生胞子は死滅すると暗灰褐色になる。また,果実に白色リング状の病斑がみられるようになると,発病に適さない環境条件になったとみて判断してよく,さらに収穫時に発病果が見られなければ防除効果があったと判断してよい。

農薬以外による防除
⇒近紫外線除去フィルム
▽分生胞子形成には紫外線が必要なので,近紫外線除去フィルムを被覆すると第二次伝染が予防される。しかし,ハウスを完全に被覆するのは困難で換気部分などから紫外線が入ってくるので,薬剤散布も必要となる。

▽近紫外線除去フィルムで被覆したハウスにはアザミウマ類(スリップス)やコナジラミ類の飛来がみられなくなる抑制されるので,アザミウマ類で媒介される黄化えそ病(TSWV)やコナジラミ類で媒介される黄化葉巻病(TYLCV)の発生を軽減することができる。

⇒土壌消毒
▽夏期にハウスを密閉する簡易土壌消毒は,高温によって,土中に残った菌核や支柱に付着した分生胞子菌核を死滅させる。また土中に潜り込んだアザミウマ類の蛹の駆除にも有効である。

⇒栽培管理
▽厳寒期の促成栽培では,ハウス内を閉め切っているので多湿状態になる。排水をよくするのはもちろんのこと,ハウスフィルム面に結露した水をハウス外へ排出するシステム(ツユトール)を導入したり,日中の換気を行ない,通路には籾がらを厚く敷き,その上からポリマルチなどをして水分の蒸発を防ぐ。

⇒圃場衛生
▽被害果,葉,茎を摘除したら放置せず,胞子は飛散しないようにビニール袋にていねいに回収して処分する。

▽不要な茎葉などを放置すると,そこに灰色かび病菌の分生胞子が形成されて,次作の汚染源になるおそれがあるので,土中深く埋めるか,堆肥化する。

病原・害虫の生活サイクルとその変動
〈基本的な生活サイクル〉
▽病原菌は腐生性が強いため,活力のある植物組織から直接侵入することは少ない。果実の発病は咲き終わってしぼんだ花弁にまず寄生して増殖する。その後この花弁と接する組織に侵入して果実を発病させる。

▽生育温度は2~31℃で,15~27℃でよく生育,23℃前後が適温である。本病は22~23℃で湿度が85~90%以上の条件がつづくと激発する。病斑部分に多数の分生胞子を形成し,これが飛散して第二次伝染する。

〈条件による生活サイクルの変動〉
▽気温が高く湿度が比較的低いと発生は少ないが,相対湿度が低くても低温がつづくような気象条件では発病が増加する傾向があるので注意する。したがって中山間地帯では発病がおそくまでつづくが,平野部では比較的早く発病が少なくなる。

▽ハウス栽培

▽日中に換気して湿度を下げても,夜間にはハウスを閉めるし,さらに内張りカーテンを被覆したりすると内部はどうしても多湿になり過飽和状態になって,水滴がつく。咲き終わった花弁のほか,葉,葉柄,茎などの傷口や収穫後の果梗の切り口などがいつまでも乾かないと,その部分に病原菌が侵入して発病しやすくなる。

▽気温が上昇したり,晴天がつづいたりすると,病原菌の活動が弱くなるので発病は減少し,果実に2~5mm程度の白色リング状の病斑(ゴーストスポット)をつくる。この果実は腐敗しないが,商品性は低下する。

▽露地栽培

▽早熟栽培で初期にトンネルを被覆している期間に第1果房が開花して発病することがあるが,露地栽培では被害はほとんどみられない。また梅雨期が低温であった年や,降雨がつづく場合には咲き終わった花弁から病原菌が侵入して発病したり,葉,茎などの傷口から感染し発病したりすることがあるが,被害は小さい。

 

出所 ルーラル