有機吸収

有機態窒素(ゆうきたいちっそ)とは、有機成分に含まれる窒素のこと。タンパク質やアミノ酸などが代表的。 肥料学の観点から、窒素成分を有機態窒素、アンモニア態窒素、硝酸態窒素と呼び分ける。 土の中では、微生物の働きにより有機態窒素からアンモニア態窒素に分解され、硝化菌がアンモニアを酸化することにより硝酸態窒素となるという過程を踏む。 好硝酸性植物は硝酸態窒素を好んで吸収し、好アンモニア性植物はアンモニアをより好んで吸収する。好硝酸性植物にアンモニア態窒素を過剰に施用すると、アンモニア過剰障害が発生する恐れがある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E6%A9%9F%E6%85%8B%E7%AA%92%E7%B4%A0

 

トマトはアンモニアチッソを好み、硝酸態チッソが存在していてもアンモニアチッソを先に吸収する。

 

作物は無機しか吸収しないのか?答えはノーです。作物間に差があり、普遍的とは言えないまでも、作物は有機を吸収していると考えられます。

 

有機質肥料講座

 

 最近になって、無機吸収だけでは説明できない事例について、科学的な根拠に基づいた議論がなされるようになってきました。

長期間落葉の堆積した森林の木材は、無機態窒素よりアミノ酸を好んで吸収しているとした報告(閥oshdmら1998)もあります.

森と西沢(1979)は、アイソトープ(放射性同位元素)でラベルした硝酸、グルタミンおよびアルギニンを混合した水耕培養液でそれらの吸収を見ています

グルタミンとアルギニンは硝酸よりも効率的に吸収されていました。
さらに、グルタミンとアルギニンは、そのままの化合物のかたちで吸収され、代謝されて
いくことも証明しています(Moriら:1979)。

http://www.shk-net.co.jp/web/img/webdata009.pdf

 

 

 

水耕栽培で(無菌栽培ではありませんが)、各種のアミノ酸を唯一の窒素源として他の成分は無機成分として投与しても、イネやオオムギは種子をつける収穫期まで生育するという実験が、1970-80年代に東大の森 敏、西澤 直子グループによって精力的に行われています。特に冷害などの低温・寡照の条件下ではグルタミン、アスパラギン、アルギニンなど1分子中の窒素含量が高い化合物はアンモニアや硝酸よりも良い生育を示す場合が見られることを報告しています。特にアルギニンの効果は顕著です。これは、冷害の時は照度が弱く光合成能が低下しているので、いくら窒素を根から吸収させても、それが地上部から来た炭素同化産物と十分に反応しきれずに、アンモニアや硝酸の無機態窒素として組織に集積するので不健康ですが(従ってイモチ菌に感染しやすくなります)、最初から上記の有機体窒素で吸収されれば、体内アミノ酸間の代謝がスムーズに行われ、タンパク質合成もスムーズに行くため組織が健全性を保っていられるためと考えられます。

jspp.org