52_Week_High&Low
1) USの中でも巨大グロース企業が牽引している。
2) 中国や資源国の低迷
その結果、相対的なUSの強さが続いています。
それに加え、日本では
3) 4-6月の対前年比でドル高円安の進展
4) 4-6月の対前年比で原油安
5) 4-6月の対前年比で主に小売売上増加(前年消費税増税の落ち込んだこと)
6) 訪日外国人の消費
以上4点あたりが、業績を牽引し実体以上に成長しているように感じてしまいます。
6)に関しては、どれくらいの成長が持続的なのか未だわかりませんが、極東・東南アジアの20億人市場の中間所得層の増加と消費の恩恵を受けるという意味では持続力があると思います。”訪日外国人”というテーマは、つまり日本の高付加価値のモノやサービスを消費できるレベルにアジアが成長してきたということに尽きると思います。その辺りが、今後の個別銘柄選択のヒントになるのではと思っています。カルビーとかお菓子会社や化粧品あたりはそもそも日本製品のクオリティにエッジがあり、ポテンシャルがあると思います。
さて、それ以外の3)-5)ですが水準訂正による前年比効果が寄与しているため成長とはいえないんじゃないかなと。
日本と米国の株式市場は底堅く推移してますけど、どこか違和感があるのは上記の理由からかもしれません。
■MSCI ALL COUNTRY / MSCI ALL COUNTRY ex USA
■ヴァンガードUS Growth / ヴァンガードUS Value
アップルはだめでしたけど、グーグルに続きアマゾンのおかげでグロースが引き続き優位に。
週末にはBiogenのガイダンスに失望感がでてバイオが総崩れになりましたが、来週はフェイスブック、ツイッター、リンクトイン、アムジェン、ギリアドサイエンシズといったソーシャル&バイオといったホットなグロース業績発表が続きます。月末には、巨大バリュー株のエクソンやシェブロン、P&Gが業績発表予定です。
P&Gについては、ドル高による海外収益の$評価が押し下げられることが懸念されており、コンセンサスは弱めです。
P&G Consensus EPS range
JUN 15 0.96-0.87
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MAR 15 0.92
DEC 14 1.22
SEP 14 1.07
JUN 14 0.95
■NYSE 52Week High
52週高値を更新してる企業数は年初から減少している。
■NYSE 52Week Low
52週安値を更新している企業数は意外に多い。
24日金曜日は
NYSEで
52週高値をつけた数が37社に対して、52週安値をつけた数が432社でした。
52週安値をつけた代表企業は
FCX Freeport-Mcmoran Inc.
S Sprint Corporation
ABX Barrick Gold Corp
VALE Vale S.A.
INTC Intel Corp
AA Alcoa Inc
XOM Exxon Mobil Corp
AMAT Applied Materials
CAT Caterpillar Inc
MON Monsanto Company
一方、ナスダックは高値52に対し、安値242。
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NYSEとNASDAQの52週高値安値銘柄のデータを使ってグラフをつくってみました。
■NYSE
52週高値銘柄-安値銘柄 ÷ (高値銘柄+安値銘柄)の
52日平均
高値更新しているのと安値更新してる数はどちらが多いのか。足元は安値更新の方が多いようです。
52週高値銘柄-安値銘柄 ÷ (高値銘柄+安値銘柄)の
52日平均
NASDAQはNYSEよりは高値更新銘柄が安値更新より多いようです。
1象限 NY強NAS強、
2象限、NY弱NAS強
3象限、NY弱NAS弱
4象限、NY強NAS弱
6月以降は、NASDAQが堅調さを維持しながら徐々にNYSEが弱くなり、7月に入るとNASDAQも弱くなり始めたようです。7月末のバイオ&ソーシャル企業業績発表が注目されます。
ここまで作成して、先ほどの折れ線グラフの分母変えたほうがいいなと気づきましたので、追加したのが以下です。
分母を高値更新と安値更新銘柄の合計から
その日に上がった銘柄と下がった銘柄の合計に変えたものを加えました。(系列2、右軸)
分子は、そのままで高値更新ー安値更新の52日平均
■NYSE
上下10%程度でしょうか。06年の安値更新は金融でしょう。それが徐々に全体の重石になっていった感じで、
2014年以降は、資源エネルギーが安値更新を続けてますが相場全体にはまだそれほどといった感じでしょうか。
■NASDAQ
上げるときはある程度ばらつきを伴いながら、下げるときはズバット一斉に売られる感じでしょうか。
ちょっと思ったのは、金融関係者ほど株式市場に強気の人が多く、引き合いにだされるのがリーマンショックとは違うと。サブプライムやリーマンなどは先進国の金融が災いの元である意味自分の庭で起こったことが全体に普及したのである程度早くから想定できたショックでした。まぐねちゅーどの大小はありましたけど。
今回は違うと思います。新興市場の資源エネルギーで起きたことがどのように全体に波及するリスクがあるのかを事前に計測することはサブプライムやリーマンと比べると難しいと思います。
以上、日本やアメリカの金融関係者証券関係者が思っているほど世の中ハッピーな環境ではないないかもしれないというお話でした。