MLP

MLP

MLP(エムエルピー)」という資産クラスがあります。

僕が初めて耳にしたのは、日本の運用会社に在籍していた2年くらい前で、当時、日本の金法(金融法人)さん向けなどで私募ファンドを作るとか言う話がでてた頃です。

投資家の税制の問題かなんかで結局、ローンチしなかったと記憶してます。

自分の知識が曖昧なので、外部からの引用をを多様し、参考サイトは文末につけておきます。

 

MLPとは、Master Limited Partnership(マスター・リミテッド・パートナーシップ)の略称です。
米国における共同投資事業の形態の1つであるLP(リミテッド・パートナーシップ)のうち、総所得の90%以上を歳入法(米国の国税についての規定が定められている法律)で定められたエネルギー・天然資源関連・不動産などの特定の事業から得ており、かつ、その出資持分がニューヨーク証券取引所NASDAQなどの金融商品取引所に上場されているもののことです。
MLPとしての要件を満たすと、減速法人税が免除されることになり、通常四半期ごとに収益分配を行います。

MLPでは現在の事業の運営に必要のない全ての収益については配当としてユニット・ホルダーに分配しなければならないと定められているため、相対的に高い配当収益が期待されています。

 


石油ガス開発の事業収益のREITみたいなもの。

ポイントだけ抜き出すと、
1)高配当
2)石油・ガスの開発事業
3)上場している

ということになり、投資家サイドからみるとREITやジャンク債などが比較対象となると思います。

ベンチマーク
「ALerian MLP Index」や「S&P MLP Index」などがあります。

 

MLPの市場規模は約5000億ドルとされており、

(出所:日興アセットマネジメント)

 

出所:レッグ・メイソン・アセットマネジメント

 

LINE 

リーンエナジー(Linn Energy,LCC:LINE) という石油ガス開発会社のHistorical DPS(四半期)です。

LINEの開発中案件の確認埋蔵量は、Oil 34%:Natural Gas 47%:NGL 20%で、開発案件のある地域は、Rockies,Mid-Continent, Hugoton Basin(テキサス、カンザスオクラホマ,カリフォルニア)付近で、中西部あたりです。

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上記のDividend Historyの通り、LINEは2013年の春に四半期から毎月に変更しました。そのとき、大きく株価は下落しましました。会社側からするとCash Flow Management上の都合から行ったのでしょうが、投資家からするとアラートが灯ったと判断されたのでしょうか。優待だけが目当ての投資家みたいなものでしょうか。(違うか・・^^;)

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そして、今回、配当でないんじゃないかという思惑もありリーマン・ショック時の水準まで叩き売られました。

株価が$12あたりなので、四半期月次DPS$0.24を維持できれば、Stock Yieldは24%程度です。ちなみにこの会社、原油価格が40ドル台まで急落した2008年及び2009年の四半期DPSは$0.63でした。また、一番さかのぼって2006年5月の四半期DPSが確認できましたが、$0.30でした。その後、2006年から2007年にかけて$0.63まで拡大させました。

 

原油価格の下落に伴い、石油株が売られたという解説が多いですが正確には上述のMLPが下落を主導したというのが直近のマーケットでした。下落の要因は、経営難というよりは配当(正確には分配:Distributions)の減少を予測した売りでした。

 

【Declaration date】

米国株に関しての配当(分配)に係る重要な日は、主に4つあります。

Declaration Date:

-Board of DirectorsがDividendsの支払いを議決する日です。

Ex-Dividend Date:

-配当落ち日です。Date of Recordの2営業日前です。

Record Date

-Holder of Record Dateの記録。会社が配当の受け取り権利のある株主を記録する日です。

Payment Date

-配当支払日

 

今回MLPは、分配金の減少の思惑で大きく下げましたが、分配金が減少するのかはDeclaration Dateまでに決定するはずなのでこの点に注目しています。

また、利益の低迷している企業が分配金をキャッシュ・フローの中から支払うためにCAPEXを削るという傾向が見られます。ただ、このことにより将来の利益成長率を阻害するという見方もあり、結果利益と配当が直結しているMLPにとっては分配金成長率が低下もしくはマイナスになりうるという懸念があります。

【アレリアンMLP

JPモルガンMLPとアレリアンMLPが2大MLPETFです。この動向をチェックしながら、その構成銘柄の挙動を今後もウォッチしていきたいと思います。キャッシュ・フローや利益からして、異常に高い配当(分配)を行っている会社も見受けられます。


AMLP ETF: Holdings, Quote, Analysis, Ratings | ETF.com

 

AMLPのDistribution Historyです。次は2月初旬にDeclaration Dateがやってきます。

注目です。

 

それでは、AMLPの構成銘柄で最大ウェイトのENTERPRISE PRODUCTS PARTNERS

のFinancial Reportを見てみましょう。

 

ムムムといった感じです。Free Cash Flowがマイナスですが、借り入れと新株発行でDividendを捻出しているように見えます。

 

一部のヘッジファンドがエネルギーのアップストリーム企業をショートもしくはプット・オプションを買っているという観測がありますが、いわゆる開発・探査・採掘に関わるところです。ブルームバーグのティッカーでもエネルギーセクターは細分化されていて、このアップストリームにあたる部分のティッカーが合ったと思います。S5ENなんとかとかいう。。(うろ覚え)僕も、少し前に某掘削会社のPUTを買ったりシてみました。今は、その会社ちょっとロングしてますが。 

 

 

【ブレークイーブン】

原油価格の50ドル台が継続すると8割近いアメリカのシェールプロジェクトが採算割れになるという観測もあります。このことから、原油価格の変動が落ち着いたとしても水準が低迷するようであるだと、少々厳しい状況が続くと考えられます。

 

【ファンド】

最後に某運用会社のファンドをコピペしておきましょう。

投資信託 ファンド | GS MLPインフラ関連証券ファンド | ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント株式会社

 

MLPの話でした。

 

【参考】


高利回り期待の実物資産運用 MLPってなあに? - NAVER まとめ

 

レッグメイソン・アセットマネジメント,「MLPのABC」

http://moneykit.net/from/img/pdf/fund130722_01.pdf

(一つだけ選ぶなら、このレッグ・メイソンの資料だけ見れば、だいたいMLPのことをカバーできます。) 


Goldman Sachs MLP and Energy Renaissance Fund Raises $1.4 Billion in Initial Public Offering With Aim to Deliver Exposure to America’s Rapidly Expanding Energy Sector | Business Wire

 

 

原油価格下落にかかわらず、イーグルフォードシェール層が打たれ強い理由 SA http://t.co/KeghN5VQG5 理由2)採掘原価が低い油田が多い(赤線がEFSの油田」

http://seekingalpha.com/article/2737595-the-eagle-ford-advantage-location-infrastructure-and-low-f-and-d-costs?page=2