CEC

CEC(陽イオン交換量)とは

土壌がどれくらいの肥料を保持できるかの目安。

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この図で言うとマイナスの数が13なのでCECは13。

 

土壌はマイナスに帯電している。

ひとことで土壌といっても、粘土、砂、礫(小さい石)といろんなサイズの粒子が集まってできている。そのなかで、小さい粒子(粘土)はマイナスの電荷をおびている。粘土以外では、腐植もマイナスに帯電している。

粘土や腐植に富む土壌はCECが高い。→養分保持力が高い

アンモニアNH4+、カリウムK+、カルシウムCa2+、Mg2+、といった陽イオンの肥料分を吸着する。水素イオンH+も吸着する。

 

ここで、植物の生育に欠かせない17元素を復習しておく

水素H、酸素O、炭素C、窒素N、りんP、カリK、石灰Ca、苦土Mg、硫黄S

ここまで多量要素。多く必要とする。HとOは水から、C空気中の二酸化炭素から取り込む。

鉄Fe、ホウ素B、銅Cu、マンガンMn、モリブデンMo、亜鉛Zn、ニッケルNi、塩素Cl、

これらは微量要素。多くは必要しないが不足すると、生育障害、生理障害など異常を来す場合がある。

  

土壌の塩基

https://www.zennoh.or.jp/activity/hiryo_sehi/pdf/qa_dojo.pdf

 

硝酸態窒素NO3-、リン酸H2PO4-、硫酸といったマイナスイオンは土壌に保持さないのか。土壌はプラス荷電もわずかにあるらしく、それらにくっついて保持されるらしい。

 

 

除塩について

いつか、農業について体系的にまとめたいと思ってますが、多分めんどくさいのでやらないでしょう。なので、適当なときに適当に主に農業関係のことについてつぶやくブログです。

除塩とは、

土壌に蓄積した過剰な塩を取り除くこと

なぜ塩が蓄積するかは2パターンあって、

。1)津波などの非人為的に外部から塩が土壌に流入する

のと

2)植物が吸収する以上に肥料を多くやりすぎて、結果、土壌に蓄積する

 

主に施設栽培(ハウス栽培)では、2)の理由で塩類集積が起こる。土壌の肥料分が雨に流されないので。

そして、塩類とは、肥料成分の中でも、窒素、リン、カリ、マグネシウム(苦土)、カルシウム(石灰)をいう。らしい。

肥料の3大要素(必須要素)は、N、P、Kで、N=窒素、P=リン、K=カリ、

多量要素は、Ca=カルシウム(石灰)、Mg=マグネシウム(苦土)、S=硫黄、微量要素は、マンガン、ホウ素、鉄・・・・・。

NPKCaMgの過剰蓄積を解消するというのが除塩の目的ですが、これらの要素の中でも、過剰に蓄積して植物の生育に障害を与えやすいもの、そうでないもの。除塩によって、取り除きやすいもの、にくいものがあります。

障害を与えやすく、取り除きやすいものは、N、窒素。窒素の中でも硝酸態窒素。全部取り除くのは無理だし、すべて悪いわけではない。

なので、施設栽培で除塩という作業を行う目的は、硝酸態窒素の過剰蓄積を取り除くと覚えておけば、試験でいうと65点くらいです。硝酸態窒素が土壌に蓄積しているかどうかを判断する目安・指標にEC(電気伝導度)という指標があります。

 

窒素について、まとめても1000ページくらいにはなり、ながくなるので、とりあえず、また。

 

腐植について

今日は一日家の中に引きこもりでした。雨だからというのと、作業が一段落したというのと、自分の体のコンディション調整というのが理由づけ。おかげで、久しぶりにゆっくり農業に関係ない情報をネットサーフィンして。いざ、農業に専念すると他のことをあまり考えなくなり、情報収集や関心も農業以外のものは無意識に切り捨てていくので、あまりよろしくない。ということで、自分を納得させているわけで。

 

腐植について

農業的に良い土、肥沃な土地には、腐植がたくさんある。

腐植が少ない→痩せてる土地

アルゼンチンのパンパ、北アメリカのグレートプレーンズと並び世界3大穀倉地にあげられる旧ソ連ウクライナの方にあるチェルノーゼムという地帯は、通称黒土と中学の地理で習ったわけですが、黒土こそ腐植がたくさんある証拠。腐植は黒いんです。

 

腐植はどうやってできるか、有機物と微生物が必要で、微生物が有機物を分解していくことでできていきます。

有機物とはなにか、炭素を含むもの、稲わらのような植物性のものもあれば、牛糞のような動物性のもの。燃やしたら最終的に炭になるようなもの。

 

なぜ腐植がよいのか、は、別の機会に。

 

 

窒素・炭素循環連結モデルによる土中の有機物分解の検討

http://www.bio.mie-u.ac.jp/junkan/sec1/lab5/pdf/h24a_morita.pdf

 

土壌腐食の化学と生化学

http://www.hiryokagaku.or.jp/data_files/view/266/mode:inline

 

アズミン

https://www.zennoh.or.jp/activity/hiryo_sehi/pdf/qa_adumin.pdf

 

土作り三要素

C/N比 炭素率

スマート農業って

スマート農業、アグリテック、高度環境制御技術。。

農業にも情報化、技術革新の恩恵を、と力を入れてますが、対して変わらないと思います。

物事のしくみや世間、考え方が大きく変わる方向に向かうことが良いこと、パラダイムシフトやイノベーションによって世界は成長してきた。という意見は3分の1くらいは正しい、いや、その通りかもなと納得できますが、時と場合、時代の流れや時期によって、過剰なほどに変化に取り組む姿勢や変化そのものを評価する傾向があると感じます。

農業でいうと、今いろいろ模索されてる技術や導入されているもののほぼすべてが、だから何といったレベルで、(ハウス内の温度が25度になったら自動で窓を空けますとかそういうレベル)それによって、劇的に収穫量が増えたり、労働力の削減が可能になるというものではないです。新しい技術導入により成功してる風に見える農業参入者も実態は、設備投資のコストを回収できない、つまりペイしないビジネスモデルを政府の補助金・つまり税金で賄ってることでやりくりしてるわけです。その再現性・拡張性のないやり方をなぜ税金で補填しながら後押しし続けるのかというわけですが、2つあって、一つが新しい技術を過剰に評価しすぎてること(新しいといっても欧州でずっと昔からやってることを真似てるだけ)と、農業分野に対する政府のバラマキ政策といっていいのではないかと思います。

インターネットに始まり、現在では人工知能であるとかの情報技術革命の恩恵は、パソコンの中で完結するビジネスには大きく貢献するレベルではありますが、農業においてはまだまだのレベル。ロボットの認知能力身体能力が人間を超えて、人間に依頼するよりも遥かに低コストで生産性の高い仕事をできるようになれば劇的に変わるきっかけになると思います。あとは、実務的な土地の利用問題と輸送・保蔵技術の問題。

ロボットが精緻さを求められる物理的な作業を代替できるようになるのはいつのことか。収穫や整枝、誘引といった栽培管理作業やハウスの補修やメンテナンスをできるようになるのはいつだろうか。倫理的な問題を除くと、技術面では最終的に蓄電技術、かなり高性能で小型のバッテリーが必要となってくると思います。

五感にあたるセンサー技術、脳みそにあたる半導体、とクリアしてくれば

次のブレークスルー蓄電分野次第。もう少し範囲を広げるとエネルギー、動力源をどうするかという課題。

 

youtu.be

どうでもいいはなし

歴史上の人物3人と話できるとしたら、だれとしたいか、10秒で答えて言われたら。

 

ヒトラー

アインシュタイン

あと一人がでてこないけど、

坂本龍馬にしとこ。

 

ヒトラーにはあなたなにがしたかったのって聞いて、アインシュタインには、どこでもドアとタイムマシンの実現性についてと人工知能について聞いて、坂本龍馬とは、やっぱり話すことがないので、徳川家康とエクスチェンジして、埋蔵金についてきいてみよう。

いや、聞かないけど。

 

 

おいしさの向こう側をもとめて

トラクター

最近は、もっぱらトラクターに乗りっぱなしなので、トラクタについて。今回の場合

トラクタでなにをしたかというと、

 

1)土を砕いて、耕しやすくして、平地にする。

自分の場合は作の終わりに一旦、前回の畝を崩す必要があったのでそれに利用した。

一般的には、耕作放棄地などを畑利用する場合、はじめに草をひいて(雑草を除去)、それからトラクタなどで開墾という作業をする。耕耘ともいう。

 

2)堆肥と土を混ぜ合わせる

その前に堆肥とはなにかというと、肥料との違いは?というと、堆肥はご飯やパンなどの主食で、肥料はおかず、という説明を兵庫の有機農業でうけた。

自分的に説明してみよう

。あえて、人間の男が生きていくために愛や性欲にたとえよう。

堆肥は純愛、家庭愛。肥料はワンナイトラブやマスターペーションとしようか。

そう、肥料は必ずしも必要でない。しっかり堆肥を蒔いて、土作りをした良い土であれば。そう、大量生産を目的としないのであればしっかり土作りをした土壌であれば、肥料はほとんど必要ないのだ。

はい、はなしを戻すと、トラクタの利用として、良い土作りのために堆肥を既存の土に混ぜ合わせるために利用した。

 

3)代掻き

しろかき、と読む。しろかきとは、田んぼで使われる用語なので、ウィキっても今回の自分の利用意図とはちがう。

畑全面を水浸しにしたあとに、トラクタで耕耘、ぐるぐる土をかき回すという作業をいう。

 

なぜ代掻きをしたのか。理由は、除塩という作業の一貫だ。

除塩については、またの機会に。

 

それでは、美味しさの向こう側を求めて

 

 

 

https://www.instagram.com/p/BjGRjuMhWbN/

 

https://www.instagram.com/p/BjOPLKXB2Kg/

 

日本の農業の問題

新規就農者といわれる人のうちどれだけの人がまともな経営者候補といえるだろうか。

実際には100人に一人ぐらいではないかなと思う。

 

日本の全産業でみると、生産年齢人口15−64歳は、8000万人をすでに割り込んでいて、これからどんどん減っていくようだ。

農業の世界ではその傾向が顕著。

 

50歳以下の新規就農者数は、毎年約2万人ペースで増加していて、そのうち半分の1万人程度が独立自営農業者。

 

一方、農業人口全体でみると、農業従事者数は毎年10万人程度の規模で減少している。

 

農業労働力に関する統計:農林水産省

 

農業従事者率でみると、日本は4%弱。

アメリカやドイツは半分以下の2%以下

 


日本の農業人口数は今より半分になっても問題はない。

機会化も伴って、将来の日本の農業人口は100万人以下でも多すぎる。と思う。

だから、日本の農業者が減ることは問題ではない。

 

 

で、日本の農業の問題はなんであろうか。

非効率だと思う。どこが非効率か?

単位面積あたりの生産性だろうか?労働者数あたりか?

投下資本あたりの生産性だろうか?

販売面をまた別問題とすると、

日本の農業の問題は、資本効率が悪いことが一番の問題だと思う。

他国だけでなく、日本の他業界と比較すると費用対効果を考慮したマネジメント能力面が弱いと感じる。

何を省いて、どこに投資するのかという数値的な基準がない。なんとなく、二酸化炭素発生機を導入したら収量が増えるらしいから導入するとか、そんな感じだ。なぜそうなっているか。

 

現場の農業従事者や県の営農指導者がこだわるのは単位面積あたりの収量ばかり。いわゆる反収というやつだ。反収を上げるための投資の是非を判断する基準は?殆どないと言っていいだろう。なぜ、こんなことになってるのか。

問題は補助金制度。新規投資する際に補助金、規模拡大する際に補助金、新規就農者がハウスを建てる際に補助金補助金補助金補助金補助金を前提に成り立っているので、補助金をもらえるかどうかが一番の経営努力といってもいいすぎではない。投資回収期間とかまともに考えない。一生のうちで返せればいいという考え。設備更新の必要も考えない農家もいる。

畑も同じ作物をやってばかりいると、収穫逓減の法則どおり地力が低下していくし、ハウス栽培にしても老朽化していくので、収量を維持して経営を継続していくにはメンテナンスのコストも労力も必要。

必要なことをしないので、最初はいいが、徐々に経営状態が悪化していく農家も多い。

 

 

経営が右肩あがりにならないので、規模も拡大できない。トマト農家に関して言うと、経営規模が小さいほど、売上高に対する投資比率が著しく高い状態。

投資とは、施設栽培でいうと、ハウスの建設費であったり被覆資材などの生産設備の償却費、メンテナンスコストや更新費用。さらには、土耕栽培の場合は、生産を維持するためには土壌のメンテナンスも必要なので、堆肥や土壌消毒の費用。

それらを売上高に対してどれくらいの水準でコントロールするのか。施設栽培トマトの場合10%以内。

また、労務費は売上高に対して10−15%、燃料・動力費も10%前後。

 

設備投資、労務費、燃料動力費の合計を売上の3分の1に抑えていくのか。これが当面の自分の目標。土耕栽培の場合、設備投資に土のメンテナンスコストをいれることが重要。

 

 

https://www.jfc.go.jp/n/findings/pdf/topics_170407a.pdf

 

 

 

さて、今日本では新規就農者を増やすために多額の補助金制度をいろんな場面で設けている。自分はほぼ補助金を受けない方向でやってるが、すべての補助金を受けて新規就農する人間もいる。新しいハウスを建てて独立就農する場合、就農前後の生活費補助、ハウス建設費補助だけでも、一人あたり2000万以上は補助金となる。農業者一人増やすのにどれだけ金使うのという感じで非常に違和感がある。

先程みた50歳以下の独立自営新規就農者1万人全員が2千万補助金うけたら、それだけで2千億yen。平成30年度の農林水産省予算のうち新規就農者を増やすための予算が175億円。助成金補助金は必要な場面もあるだろうけれど、過度な助成金モラルハザードを引き起こして、経営努力をおざなりにする従事者を無駄に生存させるばかりか、業界全体を弱くする。日本の農業は補助金中毒だ。

 

ハード面、ソフト面の両方で、機会化・自動化などの設備、知識や考え方の両方でイノベーションが必要だと思う日本の農業にとって、必要なのは補助金ではなく、フェアで自由な競争環境ではないかと思う。